2019年1月8日火曜日

連載24 やきものの町 愛知県瀬戸市

まんが 「ウチの庭ねこ」




BEAD ART 24号

名古屋市の北東にある瀬戸市は、1000年以上前から休むことなく連綿と焼き物作りを続けてきた町だ。その歴史を支えたのは職人と、職人たちの家に代々伝えられた技術と知識だ。しかし高度成長期にピークを迎えた窯業産業はその後オイルショックや円高、東アジアを中心とする新たな磁器生産地の台頭や後継者不足により廃業や業態転換が進んでおり、技術継承の途絶が危惧されている。そんな中で「瀬戸のやきものの現場を知って欲しい」という思いを持つ窯元や関係者により瀬戸オープンファクトリーはスタートした。
2017年11月1日と2日の2日間開催され、デザイナーやバイヤー、商社などを招待し

瀬戸オープンファクトリーの様子
















各窯元の技術や作業風景に触れて現場からインスピレーションを受けてもらい、新たなビジネスの可能性を探るという主旨だ。今回ご紹介するのは瀬戸で「猫」といえばここ、と言われる、瀬戸オープンファクトリー主催者の一つ夢工房柴田隆製陶所さん。工房内は猫猫猫猫、猫であふれている。猫の湯飲み、猫のご飯茶碗、ありとあらゆる食器に猫が描かれている。そして尻尾も別パーツで作るこだわりよう。


そして工房の中でビーズの雑誌にピッタリなものを見つけた。猫のセラミック・ペンダントヘッドだ。ビスケットのような生地にアイシングのような釉薬。ガラスやプラスチックにない素朴で食べ物のように美味しそうな感触が目に新しい。しかもこの手のペンダントヘッドにありがちな、裏表がひっくり返るのを防ぐ工夫も凝らしてある。こちらの工房では
最低ロット30個からオーダーを受け付けてくれるので、自分の飼い猫の模様に絵付けしてもらうことも可能だ。

色々な模様の猫たち。セミオーダーも可能。



ひっくり返り防止機能つき。


猫のセラミックペンダントヘッドを使ったネックレスを作ってみた。
(長さ調節機能つき)

高度で多様な技術を持つ瀬戸は、焼き物に関してどのようなニーズにもこたえることができる。しかし多くの窯元は分業化が進んでおり、クリエイターやデザイナーには全くアクセスがなく、閉ざされた世界だった。私が7年前から瀬戸で始めたプロジェクトも、閉鎖的な体質の窯元も多く、プロジェクトは時間もかかり難航した。今回のようなイベントがあればもっと簡単にプロジェクトは進んだことだろう。瀬戸オープンファクトリーによってどんな化学反応が起きるのか、とても楽しみにしている。

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