海藻ジュエリー
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BEAD ART26号に掲載されたコラム
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三重県鳥羽市
三重県鳥羽市の石鏡で海女をやっている佐藤梨花子さんに初めてお会いしたのは、5年ほ
ど前に携わった三重県の真珠を使ったサステイナブル・ジュエリーのお披露目パーティー
だった。当初は都会の OL さんという印象だったのに、最近 Facebook のアップデートで数年前から鳥羽市石鏡で海女になっていたことを知った。
そこで 2018 年 3 月、鳥羽市立海の博物館で開催された、野田三千代さんの作品展「海を彩る海藻の森~ seaweeds art」とともに開催されたワークショップ「海藻おしばアート作り」に、ご近所の梨花子さんを誘って参加した。野田三千代さんは女子美術大学の同窓生で、同窓会を通じてご活躍を知り、いつかワークショップを受けてみたいと考えていた。実は私、母が青森県大間出身で、海藻にはちょっとだけ詳しい(食べられる海藻限定)。海藻おしばワークショップは、小さな子供からお年寄りまで、参加者の年齢も様々。海の森の大切さや海藻について野田さんのお話を聞き、20 種類以上の色とりどりの海藻に触れるワークショップは大盛況であった。
重力の制約を受けない自由なフォルムと宝石のような透明感のある色彩が脳裏に焼き付き、私は海藻を使ってジュエリーを作ってみたいと考えた。ハワイの伝統工芸ニイハウシェル・レイの時も感じたが、自然の材料を採取して作品を作るには、自然に対する興味、共感とリスペクト無しには完成しない。
海女の梨花子さんにお願いして、材料になる海藻採取にご協力頂くことにした。
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石鏡の浜に漂着した海藻 |
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石鏡港は映画ゴジラで、ゴジラが初めて日本上陸した場所のロケ地 |
梨花子さんの住む石鏡は小さな漁港があり、人口は 470 人くらいの漁師と海女の町だ。訪れたその日はちょうど町内総出のひじき漁で、いたるところにひじきが干してある。漁港のスペースでは足りずに町から少し離れた展望台のヘリポートいっぱいひじきが干してあるのは壮観だ。
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港いっぱいに干してあるヒジキ |
石鏡の海女平均年齢は 76 歳位。港で居酒屋を 40 年以上経営する女将さんのお話では、昔は海女の収入があるため男性はあまり働かず、昼間から居酒屋で飲んでい
たらしい。しかも酒は注文するものの、つまみの魚は全て持ち込みであったとか。そして、もともと町内総出のヒジキ漁は、獲物がない時期の海女の収入源であったそうだ。
翌日は海女が信仰する神明神社に行ってきた。石神さんの愛称で呼ばれる神明神社の末社
の一つ石神社は、女性の願いなら必ず一つだけ叶えてくれると言われ、全国から女性の参
拝客が絶えない。私は新設の海女みくじを引いてみた。『大漁。アワビがよーけ採れたわ。』と。当たっている。
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女性の願いなら必ず一つだけかなえてくれると評判の石神さん |
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